- Chapter 1 電車/Train
- Chapter 2 登山家 - Mountaineer
- Chapter 3 秘密 - Secret
- Chapter 4 発明 - Invention
- Chapter 5 幼馴染 - Childhood Friends
- Chapter 6 エレベーター - Elevator
- Chapter 7 趣味 - Hobby
- Chapter 8 働き者 - Hard Worker
- Chapter 9 夢 - Dream
- Chapter 10 泣き虫 - Crybaby
- Chapter 11 ある冬の朝 - A Winter Morning
- Chapter 12 迷惑メール - Spam Emails
- Chapter 13 落とし物 - Lost Item
- Chapter 14 厄介な住民 - Annoying Neighbor
- Chapter 15 仮説 - Hypothesis
- Chapter 16 結婚 - Marriage
- Chapter 17 いとこ - Cousins
- Chapter 18 小論文 - Essay
- Chapter 19 違う人生 - Other Lives
- Chapter 20 黒い車 - A Black Car
CHAPTER 10
泣き虫 - Crybaby
私は一度も泣いたことがありません。泣くことができないんです。
私の弟は小さいとき、とても泣き虫でした。私は泣くことができないので、弟がうらやましかったです。
弟が泣くと、私の両親は弟に優しくて、それがとてもうらやましかったです。
私もたくさん泣きたかったです。泣こうと思いました。でも、泣けませんでした。
色んな方法を試しました。
感動する映画を見てみました。
『トイストーリー』を見たり、『戦場のピアニスト』を見たり、『おくりびと』を見たりしました。
私の家族は、みんな泣いていました。でも、やっぱり私は泣けませんでした。
私は、玉ねぎをたくさん切ってみました。
お母さんは玉ねぎを切っているとき、たくさん泣きます。でも、やっぱり私は泣けません。
友達や家族の死も想像してみました。
例えば、夜、寝るときに、目を閉じて、おじいちゃんのお葬式を想像してみました。もちろん、このことはおじいちゃんには言ってはいけません。
私はおじいちゃんが大好きなので、とても悲しくなりました。でも、やっぱり泣けませんでした。
私は、どうしても泣けませんでした。弟は、「泣かない方がいいよ」と言いました。でも、私はどうしても泣いてみたいのです。
私は、神様にお願いしました。“一度だけ泣いてみたいです”
すると、神様が「願いを叶えよう」と言いました。
そして、次の日、私は『トイストーリー』を見ました。そして、泣きました。玉ねぎを切ると、涙が出てきました。私はたくさん泣きました。
私はとても嬉しくて、またたくさん泣きました。涙がたくさん出てきました。
やっと泣けました。
嬉しいとき、悲しいとき、楽しいとき、怒ったとき、私はいつも泣きました。私は、世界で一番幸せな人になりました。